クビにならないためのライフハック

ちょっと小耳にはさんだ話。「クビにならないためのライフハック」として、「自分で判断せず、上司に従順になる」という項目があるそうな。いまどきそんな話…と思ったけれど、よくよく考えてみると心当たりがある。人事異動の後、上司が変わった直後から、取引先に対する要望がガラリと変わる人は、珍しくない。それまでずっと言われてきたことが、彼(女)の意見ではなく、その上司の意見だったということが、そのときわかるのだ。

上司のいうことを聞いていれば、自分の身は安泰だ--このご時世、そんなはずはないということは、新聞記事をざっと眺めただけでもよくわかる。どんな大企業でも、ガラガラと音をたてて崩れ落ちる時代なのだ。間違った判断をしている上司の命令を聞いて、その通りに動いた結果、会社の損失となってしまったら、それすなわち自分の身が危ないということになる。たとえ会社はクビにならなくても、会社自体の存続が危うくなれば、明日の自分の生活は誰からも保証されないなんてこと、誰でも分かっているはずなのに。

お風呂に入りながら、このことをよくよく考えた。その結果、わかったことがある。自分の判断次第で会社の存続が危うくなるということは、つまり自分の判断次第で国家が危うくなるということ。さらに、世界経済に影響を及ぼすということにもなる。つまり私たちは、「地球の平和を守るために、日々働いている」のだ。「そんな大げさな。うちみたいなちっぽけな会社がひとつなくなったところで、そんなことになるわけがない」と笑いたい気持ちはよくわかるが、残念ながらそうではなさそうだ。

風が吹けば桶屋が儲かる」というように、どこかでつまづけば、そのことが大きな道連れを生むかもしれない。リーマン・ブラザーズは決して小さい会社ではないが、それにしても1つの会社であることは違いない。そこが破綻するだけで、遠く離れた日本経済に大きな影響を及ぼし、その結果、多くの日本の会社が道連れとなった。不本意ながら道連れとなってしまった彼らは、昨年秋のリーマン・ショックを、まるで他人事のように感じていたに違いない。まさか、そのことが自分の人生を狂わせるなんて、思いもしなかっただろう。

自分の生活を守るために何をすればいいか。つまり、個人レベルでの「リスクマネジメント」だ。そのことを真剣に考えたいのであれば、決して最初に書いたライフハックのような考え方はしないことだ。誰かのいうことを聞いていれば自分の人生は守られるなんて、今はそんな甘い時代ではない。自分の頭でしっかりと考えて、会社に利益を出していこうとしなければ、いずれ自分の生活が危うくなる。そんな風に考えられるようになったら、なにかあったときもうまくリスクが回避できるようになるだろうし、会社が倒れたときにも素早く対処できるようになるだろう。

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