哲学者の梅原猛氏、ご逝去。5年前の講義メモを見返す

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梅原猛さんのご逝去の報に接し5年前に行われた井上円了哲学塾での講義を思い出しました。

梅原先生は、40歳ごろに西洋哲学の限界を知ったと語られました。逆に、東洋思想や日本思想に、人間中心主義を超える思想が隠れているのではないかと、日本研究を志されました。その結果として、天台本覚思想の「草木国土悉皆成仏」という言葉の中にこそ、日本文化を象徴する思想が込められていると考えるに至ったということです。

そして、この「草木国土悉皆成仏」の思想は、日本の基層文化である縄文文化(漁労採集文化)の根本思想であり、さらにその後の弥生文化(稲作文化)にも受け継がれていると指摘されます。

この自然と一体となる考え方は、西洋の人間中心主義の考え方とは大きく異なるものであり、梅原先生は、西洋文明の根本にある人間中心主義では人類は救われない、人類文明について、古く狩猟採集の時代にまでさかのぼって再考しなければならないと強く訴えられるのです。

この「草木国土悉皆成仏」という言葉、今も胸の奥に残っています。これからも考え続けます。ありがとうございました。

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