教会で死んだ男(アガサ・クリスティ)

「アリバイ崩し承ります」でなんとなくミステリづいてしまって、またもや推理物。古き良き時代のアガサ・クリスティ短編集である。

きっかけは、哲学カフェで「座右の銘は?」と聞かれたこと。私の座右の銘は、これである。

よろしいですか。よろしいですか?

たとえ、たとえですね。明日死ぬとしても、やり直しちゃいけないって誰が決めたんですか?誰が決めたんですか?

まだまだこれからです。

古畑任三郎「再会」で、最後に古畑が友人である安斉に向かって放った言葉だ。このときの古畑の顔、聞いた安斉の顔を、私は忘れない。とても愛情深く、希望に満ちた言葉だと思ったからだ。この言葉を聞いたときから、私の座右の銘はこれになった(ただし、聞いた人からは「長いよ」と言われる)。

この「再会」の元ネタが、アガサ・クリスティの「スズメ蜂の巣(Wasps' Nest)」だと聞いて、ぜひ読んでみたくなった。Amazonで探しても見つからなかったが、それもそのはず。「スズメ蜂の巣」は短編で、「教会で死んだ男」という本に収録されていたのだ。さっそく一冊読んでみたが、結構なボリュームだった。そういえば、生まれて初めて読んだミステリは「シャーロック・ホームズの冒険」だったが、あれもこんな風だった。

短編は、どれもおもしろかったが、だいたい知っていた。おそらく映像で見た物が多いのだと思う。海外ドラマのポアロシリーズとミス・マープルシリーズは、だいたいコンプリートしているからだ。しかし、1つだけ知らない話があった。「洋裁店の人形」という短編である。これがとても奇妙な話で、事件も起きていないし、謎も解き明かされないまま終わってしまう。この作品はなぜ、この本に収録されているのか? 

 

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