新型コロナワクチンを接種した後で読んだミステリ3本

f:id:mica:20210806163711p:plain

新型コロナワクチンを接種した日と翌日は仕事を休んだほうがいいといわれたので、片付けなければならない仕事を前倒しでやっつけておいた。「おかげで今日と明日はベッドでのんびり本が読める……」とほくほくしながら買ったミステリ4冊。そのうち3冊はその日のうちに読んでしまった。寝る前に「やばい、明日読む本は1冊しか残っていない…なんか追加で買っとくべき?」と心配したが、結果的にはそんな心配は無用だった(その理由はこちらをご覧ください)。

 「medium 霊媒探偵城塚翡翠」(相沢沙呼)の続編。犯人が殺人を犯すところから始まる倒叙ミステリを3本収録している。倒叙ミステリと言えば「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」が有名だが、探偵である城塚翡翠は古畑を真似て、解決編の前に「さて読者のみなさん、おわかりになりましたでしょうか?」というのをやる。本格派らしく、その前にきちんと解決につながる事実は提示されているので、いったん本を閉じて推理を巡らせるのもこの本を読む楽しみのひとつ(私は根性がないのですぐにギブアップして続きを読んでしまうけど)。最後の「信用ならない目撃者」はあっと驚く仕掛けがあり、どんでん返しマニアな私も思わず声が出てしまった。

作者である青崎有吾は、2012年に「体育館の殺人」で第22回鮎川哲也賞を受賞したミステリ作家。その後、「水族館の殺人」「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」「図書館の殺人」を続々発表。私は4冊とも読んだが、いずれも軽い文体とは裏腹の本格ミステリが楽しめた。

今回、この本を購入したきっかけは無料読本。「無料」というパワーワードにやられ、思わず手を出してしまったのだ。

 このシリーズに出てくる「ノッキンオン・ロックドドア」探偵事務所には、2人の探偵がいる。ひとりは、密室殺人など不可能な謎解き専門の「御殿場倒理(ごてんばとうり)」で、もうひとりは動機不明の不可解な謎解き専門の「片無氷雨(かたなしひさめ)」。上記のイラストでいうと、倒理は黒いタートルネックを着た方で、メガネ男子は氷雨。同じ事件をそれぞれの方面からアプローチし、解決していくというお話である。

このシリーズには、ほかに2人のキャラクターが登場する。ひとりは警視庁刑事部捜査第一課の「穿地決(うがちきまり)」警部補で、もうひとりは犯罪プランナーの「糸切美影(いとぎりみかげ)」。4人は大学で一緒に学んだ仲間だった。美影がプランした犯罪には、必ずちょっとした仕掛けがあり、それに気づいた穿地が2人の探偵を呼び寄せる。2冊14本の短編のうち、いくつかはそういう作りになっていた。

短編自体は、どれもトリックのアイデアにあわせてわざわざ作りこんだような犯罪が多く、「ああ、やってんなあ」と思わなくもないが、軽い読み物としては十分楽しめる。中でも私が好きだったのは「十円玉が少なすぎる」という話。通りすがりの男が電話で話していた一言から、その背後にあるものを推理する……というストーリーだが、たしか海外ミステリでそういう話があったような気がする。なんだっけ?

 

 

 inouemica.work © 2018. All Rights Reserved.