「茶の本」(岡倉天心)

読了。とても含蓄のある名著。茶の本と言いつつ、日本文化を分析・紹介する本。西洋文化との対比がおもしろい。「成功ではなく、成功を目指す過程を重んじる」という部分も興味深い。7章のラストは衝撃だった。千利休ってホントすごい人なのね。

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以下は、今月の哲学カフェで話すために作った4章「茶室」の要約。

  • はじめて独立した茶室を建てたのは千利休。
  • 茶室は「すきや」と呼ばれ、さまざまな漢字があてられている(好き家、数寄屋、空き家)。「すきや」には、詩趣を宿す仮の住処、必要以上の装飾物を排する場所、故意に不完全なものを作って想像力を働かせる場所という意味合いがある。
  • 「茶道」は、禅宗の修行僧の儀式から始まった。客人は呼ばれるまで「待合」で待ち、茶室に通じる庭の「露地」を通って「茶室」に入る。茶室の広さは維摩の経文の一節に定められた四畳半。入り口は高さ3尺で、身分にかかわらず頭を下げて入室しなければならない。
  • 茶室は光が和らぎ、天井から床に至るまで落ち着いた色合いで揃えられ、すべて清潔である。美しい物の真の理解は中心に注意を集中することによってのみ可能になるため、客人を迎えるために用意された1点の装飾物以外、なにもおかない。道教や禅の「完全」は完全を求める手続きに重きをおき、あえて「不完全」にすることで人の心のなかで完全になる。
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