なぜ人を殺してはいけないのか?(久能整 名言集)

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1月10日にスタートした「ミステリと言う勿れ」というドラマが話題になっています。ご覧になったという方も多いのではないでしょうか。

 

私は原作のファンで、ドラマ化を楽しみにしていました。菅田将暉さんが久能整くんを演じると聞いて、正直「イメージと違うなあ」と思っていましたが、実際にドラマを見てビックリ! ちょっとした動き、表情、シルエットまで、もう整くんにしか見えません。菅田将暉さんの演技力に驚くばかりです。

 

整くんはとてもよく喋りますが、名言も多く、それがこのドラマ(原作)の魅力のひとつになっています。なかでも私が気になったのは、このセリフ。

 

(「どうしてだ。教えてくれ。どうして人を殺しちゃいけないんだ!?」というバスジャック犯の問いに対して)

「いけないってことはないんですよ。(中略)いけなくはないんだけど、ただ秩序のある平和で安定した社会を作るために、便宜上そうなっているだけです。(中略)実際、今も殺しまくっている場所は世界中にある。(中略)だから、あなたもそういう所に行ったらいいと思います。ただし、そういう所では、あなたもさくっと殺されます。あなたが今殺されないでいるのは、ここにいるのが秩序を重んじる側の人たちだからです」

※引用が長くなりました。すいません、整くんがきちんと説明したがるキャラなので、引用すると長くなってしまいます……。

 

この「どうして人を殺しちゃいけないんだ」という問いは、さまざまな哲学カフェでよくテーマになります。原作の中で「残された人が悲しむから」「罪になるから」という意見が出ていましたが、私がこれまで参加したカフェでもそういった声が多かったと思います。ですが「殺すことが悪いのではなく、そういう仕組みの中で私たちの生活が成り立っているというだけ」という意見は、あまり聞いたことがなく、なるほどなぁ……と。

 

他のエピソードで、整くんはこんなことも言います。

 

「真実は1つなんかじゃないですよ。(中略)真実は、人の数だけあるんですよ。でも事実は1つです」

 

「真実」という言葉をどう定義するかにもよりますが、ここで言う「真実」は「(その人が考える)真実」、つまり「主観」なのだと思います。主観であれば、人の数だけあるのは間違いない。でも「事実」、つまり「実際に起きたこと」は1つしかない。

 

最初の例でいうと「殺した(殺された)」という事実があり、それに対する「真実(=主観)」は人の数だけあると。「殺人は悪いこと」という判断は、一見「(1つしかない)真実」のように見えますが、実は主観に過ぎないと。その主観のなかに、もちろん社会通念の影響はあるでしょう。だから、整くんがいる世界では「殺すのは悪いこと」と判断する人が多く存在し、そのルールのなかで裁かれるということなんですね。

 

この「真実」と「事実」の違いを理解するだけで、世の中はもっと暮らしやすくなるんじゃないかな、なんてことを思った次第です。

 

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